2015年6月23日火曜日

SONY SEL28F20 + コンバージョンレンズ SEL075UWC (Live!オーロラ・テスト)


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 ソニーのフルサイズ一眼カメラ、α7シリーズ向けにリリースされた広角単焦点レンズ「SEL28F20」はFEマウントレンズの中でGタイプやツアイスではないですが、比較的安価ながら、かなりシャープな描写をするレンズです。
 今回は、SEL28F20用に専用設計されたウルトラワイドコンバージョンレンズ「SEL075UWC」を使って、Live!オーロラ・システム使用を想定したテストです。
 星景はマニュアルモードですが、それ以外は絞り優先モードで撮影し、ホワイトバランスはAuto、クリエイティブスタイルはスタンダード、ダイナミックレンジオプティマイザーもAuto、高感度ノイズ補正はAuto、長時間露光ノイズ補正はOffにしてあります。(一部はRAW現像ソフト、Image Data Converterで補正したものもあります)

 Live!オーロラはメインが生中継コンテンツですので、ライブ圧縮伝送時に画質がどうしても劣化しますから、解像感や収差など細かい部分はある程度問題ないという事実もありながら、収録映像や静止画の高感度撮影も重要なコンテンツなので、望遠鏡で星景撮影をする人ほとではないものの、絞り開放時の写りを気にしながらテストをしました。
 また、最近の高画素路線の影響もあるのか解像度命なレビューが多いので、少しばかり解像度にも焦点合わせてテストをしましたが、僕のテストの本命はSEL057FECでの星撮りと逆光耐性、周辺の収差です。
 ただ、SEL28F20もこのコンバージョンレンズも、FEマウントレンズ群の中ではプロ仕様ではないですが、予想以上にクリアな写りをしてくれます。
SEL28F20と、ウルトラワイドコンバージョンレンズSEL075UWCを装着した状態(左から)
 結構ズシリと重さを感じます。α7の直線的なデザインは初めて展示会で見た時から惚れていました。僕は好きですね。それにエポックメイキングなモノは何でも好きです。ニコンD700みたいに過酷なフィールドでブンブン振り回しながら使うには神経を使いそうな見た目ですが、α7ii系になってからガッシリしてきたようです。
 コンバージョンレンズは専用のバヨネット式なのでカチンと簡単に脱着できます。心地よい音と共にはめ込めるので、装着ミスは少ないと思います。
 また、2つのコンバージョンレンズ共に前玉がせり出しているので、キャップの脱着時には神経を使います。カバー式のキャップも販売してほしいですね。しっかり装着できますが、コンバージョンレンズの取り外しレバーを誤操作するとゴロッと外れてしまうので、指の置き場所には気をつけたほうが良いでしょう。
 暗視環境での装着時には装着位置の赤い印が見えにくいので、蛍光テープなどで工夫して印をしておくのも良いでしょう。富士山での撮影では、装着に何度か苦労しました(^^;



ウルトラワイドコンバージョンレンズ「SEL075UWC」 テスト

 結論の一つから先に言えば、コンバージョンレンズがここまで描写するとは思っていませんでした。SEL28F20を持っていれば、単焦点超広角レンズを買うよりも良いケースがあると思います。
 面白いですよねえ、ここまでの描写を単焦点レンズではなく、コンバージョンレンズでリリースするのですから。しかし、これを見ると単焦点版の超広角レンズも見たくなります。
撮って出し。SEL075UWC装着時/21mm  F11  10秒 ISO125 
SEL075UWC装着時/21mm  F11 5秒 ISO200。 長時間露光テスト。車のライトの光跡が綺麗なので一見派手な写真ですが、これで見たかったのは長時間露光時の色調に、夜空の暗部と雲の様子です。雲のように暗部内の白系色はノイズによって解像感が大きく変わります。
SEL075UWC装着時/21mm  F2.8開放 1/2500 ISO400 ホワイトバランスを曇天にしました。開放だと細部は若干甘くなりますが、色乗りは相変わらず良いです。描写力はSEL28F20を引き継いでいます。

SEL075FEC装着時/21mm 撮って出し。F11 SS1/100 ISO400 絞るとさらにシャープになります。
上の写真右部を拡大しました。若干、色収差がでていますが、周辺の細部まで全体的にかなりシャープです。
SEL075UWC装着時/21mm F2.8、開放撮影。SEL075UWCを装着すると、開放値が1段上がります。
上の写真の右上あたりを拡大したもの。解像感の劣化や色収差が多少みられますが、こちらも開放時に周辺が崩れているわけではなく、十分綺麗に描写されています。勿論、明るければF11くらいに絞った方が綺麗に描写されますが。

撮って出し。SEL075UWC装着時/21mm F11 SS1/250 ISO250
左がSEL28F20、右がSEL075UWC装着時の様子を拡大比較したもの。(F11,ISO250は同じでSSだけ違う設定で撮ったものを、双方ともに露出補正を+2でわかり易くした)
よく見ると解像感と階調の違いや光量落ちはありますが、SEL075UWCを装着した場合はF11ほど絞れば周辺付近も見劣りはしませんね。極小点光源の星を拡大しても周辺まで綺麗に撮るのは難しいかもしれませんが、明るい被写体なら周辺も綺麗に描写します。
撮って出し。SEL075UWC装着時/21mm F6.3 SS2.5秒 ISO1000 ダイナミックレンジの高さも維持されています。
上の写真から中央部と左部を拡大比較しました。 中央はパキッと描写され、周辺部分はよく見ると流れがあるようですが、それでも十分描写されています。SEL075UWCを装着した場合はF9くらいまで絞っても良いかもしれませんね。でもこれ、専用設計とは言え、コンバージョンレンズですよ。周辺はもっと破綻すると思っていました。
SEL075UWC装着時/21mm。 F7 ISO160 SS1/2500。 モヤが多い環境下での逆光なので太陽の散乱光が全体を覆っています。この厳しい撮影環境下でも描写は破綻していません。SEL28F20と同様に逆光耐性は強いと思います。
SEL075UWC装着時/21mm。 F11 ISO160 SS1/2500。 コンバージョンレンズ装着でこの逆光耐性は素晴らしいと思います。
これまで、Live!オーロラの撮影では対角魚眼レンズを中心に使ってきました。対角魚眼レンズを選ぶ理由は、24時間定点観測であることやオーロラが広範囲に夜空に浮かぶことを想定している事が理由の一部ですが、魚眼特有の湾曲や解像感を考慮すると、地上の風景が詳細にわかる21mm画角の活用も考えたほうが良いかもしれません。
 SEL075UWCは、F4くらいから周辺もカリッと解像し始めるので、α7系を本格的にシステム導入する際や、稼働中のα7sへの装着は現実的だと思います。
 
 星の撮影で一般的に言われるコマ収差ですが、星景撮影をする人は収差をとても気にするので少々厳しいかもしれませんが、次の記事のテスト結果にもありますが、星の撮影でも目的を選べば十分使えると思います。比較明暗合成や赤道儀撮影は今後機会があったらやってみようと思います。


(この記事は、独自の目的と解釈でテストを行った結果をまとめたものです。)

連載 α7 + SEL28F20 + SEL075UWC + SEL057FEC
その1 28mm 基礎テスト編
その2 コンバージョンレンズ・テスト
その3 魚眼コンバージョンレンズ・テスト
その4 α7含めた感想や応用編
その5 番外編

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